KIKOFの陶器は信楽で生まれた

信楽の土はざっくりとした質感で、素朴であたたかい独特の粘土質。日本一大きな湖である琵琶湖は、200~300万年前、現在の位置よりももっと南にありました。 信楽焼はその古琵琶湖層の土を使っています。
私たちは「琵琶湖は日本の大きな器である」というコンセプトを掲げ、陶器の愛称を「器湖」と呼び、2014年の秋に、KIKOFの1stプロダクトとしてまずは陶器を発表しました。
ブランドネームKIKOFの由来は、
器湖(KIKO)の後ろに、「Free」「Future」「Fly」「Full」などの頭文字「F」を加えて"KIKOF"と名付けました。


紙を折ることから始まったデザイン

グラフィックデザインを基軸に活動するキギは、紙を折り、立ち上げていくことで、デザインを考え、直線のみで構成された器を設計しました。全ての器のベースとなる形は、尖り過ぎず、角があまくならない八角形。また、直線的なかたさと、陶器の持つ柔らかい印象、何度も調整した釉薬の色合いが独特の素材感をつくりだし、磁器では表現できない陶器独特の味わいが特徴となっています。紙の薄さを再現することや、角度を保つために、製造過程で様々な試行錯誤がありました。空気を含み軽く、火に強い、大きなものをつくるのに適した特性を持つ信楽の土だからこそ実現できたのです。


配色は湖面の色

器の色は、琵琶湖の朝、昼、夕、月夜の湖面に映る色をイメージした配色。Morning blue(ライトブルー)、Noon white(ホワイト)、Sunset pink(ピンク)、Moon night(グレー)と名付けました。Moon nightには、金色に輝く月が入るものもあります。



表には淡く刻まれた刻印、底には落ち着いたつや消し黒の化粧泥

器には、KIKOFやKIGIの「K」と琵琶湖の表面積「670.25(㎢)」、愛称である「器湖」から抽出したデザイン等が淡く刻印されています。

実際の土の色味は優しいライトブラウン。これは、私たちが求めていたライトブルーやピンク、グレーがかったホワイトを実現するためのもの。ただ、どうしても色の締まりが欲しいという、デザイナーのこだわりから底面にはつや消し黒の化粧泥を施しています。